ローカリゼーションインサイト
ローカリゼーションインサイト

AI を活用した翻訳: グローバリゼーションリーダーの最大の秘密

翻訳方法の選択でも、他のすべてのビジネス上の意思決定と同様に、重要なのはバランスです。一昔前は、人間による 1 日 2,000 単語のペースでの翻訳という選択肢しかありませんでした。今日の LSP (言語サービスプロバイダー) は、1 日最大 10,000 単語の翻訳を手掛けています。その秘密は、自然言語処理 (NLP)、ニューラル機械翻訳 (NMT)、機械学習 (ML) をはじめとする、AI ベースのテクノロジーにあります。

現在大手グローバルブランドでは事業を拡大するため、人間による翻訳以外の方法も取り入れられています。人間による翻訳はコストがかかり、人間の能力には限界があるためです。Netflix、Airbnb、Booking.com、Uber、Amazon 各社をはじめとする世界を代表する企業では、人間による翻訳と AI ベースのテクノロジーの最適な組み合わせを採用することで、ローカリゼーションのクオリティを上げ、コストを削減すると同時に、厳しいプロジェクトの期限に対応しています。

MT と NMT: 6% のギャップ

機械翻訳 (MT) は 20 年前から存在していますが、ローカリゼーション業界で MT の統計ベースの翻訳から NMT (ニューラル機械翻訳) のニューラルネットワークベースの翻訳への転換が始まったのはごく最近のことです。このテクノロジーの’進化により、機械翻訳のクオリティが改善され、多くの業界で利用可能なソリューションとなりました。以前とは異なりコスト効果が高く高速で、より正確な NMT は、ローカリゼーションに革命を起こし、国際企業による前代未聞の規模でのコンテンツ翻訳が可能になりました。NMT は適切に使用した場合、人間による翻訳の 94% のクオリティを実現できます。しかしまだ 6% の改善の余地が残っており、そのギャップを埋めるのが NMTPE です。

MTPE (機械翻訳事後校正)

今日 MT が使用されているケースのほとんどで実際に使用されているのが MTPE (機械翻訳事後校正) です。昔からある MT という言葉が頻繁に使用されていますが、NMTPE では大量のテキストを翻訳できる機械翻訳を使用し、その後プロの人間の翻訳家が見直します。人間がすべての作業を行うよりも速く、コストも安くなる一方で、最終的に人間のタッチが加えられるため、ネイティブスピーカーによる翻訳のような仕上がりになります。

NMTPE によるスケールアップ

今日の NMPTE はその速度とクオリティにより、ウェブサイト、マニュアル、さらには顧客対応まで、あらゆるタイプの翻訳に優れたオプションとなります。高い翻訳クオリティ、人間による校正、個々のブランドのグロッサリーによる一貫性の確保などにより、NMTPE は人間による翻訳とほとんど見分けがつきません。

また、ビジネスのスケールアップにおけるコストも大幅に削減できます。クオリティの高い機械翻訳を編集することで、一から翻訳するよりもはるかに短時間で翻訳作業が完了します。つまり、NMTPE では、翻訳者が同じ時間でより多くのコンテンツを翻訳することができます。

高度な翻訳エンジンにより、人間のみによる翻訳と比べ、翻訳の合計コストが 30% 以上削減されます。

中には NMTPE が急速に標準の翻訳方法になりつつある業界もあります。たとえば、e コマースと観光業界では、コンテンツの翻訳に人間のみによる翻訳よりも NMTPE のほうが多く使用されています。eBay や Booking.com などの企業は、このツールを最大限に活用するために多くのリソースが投資されています。これらの業界では使用されているユーザー生成コンテンツの量が多すぎて、人間による翻訳では到底追いつけません。

ゲーミングなどの他の業界の企業では、全体的な翻訳のほんの一部にしか NMTPE が取り入れられていません。特により洗練されたゲームでは、会話やその他ゲーム内テキストのニュアンスや口調などが重要になります。機械翻訳ではまだそのようなコンテンツを適切に翻訳することができません。

BLEND の NMTPE プロセス

1. 翻訳エンジンの選択

市場にはさまざまな翻訳エンジンが出回っていて、それぞれ得意な言語や業界が異なります。そのため、業界やトピック、スタイル、言語ペアによって最適な翻訳エンジンが異なります。しかし、多くの組織では一つの翻訳エンジンのみが使用されています。たとえば、コンテンツを 24 の公式言語で公開している EU では、現在もすべての言語ペアとコンテンツタイプにたった一つの翻訳エンジンが使用されています。

クオリティの高い翻訳を提供するため、BLEND では新規のクライアントまたはプロジェクトタイプに対し 2 ~ 3 種類の翻訳エンジンをテストし、それをターゲット言語のネイティブスピーカーである人間のレビューアーが確認し、最も優れた結果を出したエンジンを選択しています。その後そのクライアントのコンテンツタイプに同じエンジンが使用されます。

2. 翻訳メモリーと機械学習

BLEND のセルフサービスプラットフォームで提供されている翻訳メモリーは、ブランドの一貫性の確保に欠かせない機能です。過去の翻訳に基づくカスタマイズ可能なグロッサリーにより、CTA や H1 ヘッダー、タグライン、法律用語が毎回クライアントの希望通りに翻訳されます。大量のデータがある大規模なクライアントの場合、この段階で機械学習も使用されます。これにより、毎回のプロジェクトでカスタマイズされた専用の翻訳エンジンをご活用いただけます。

3. 人間の翻訳者

最後のステップとなるのが、専任の選抜された翻訳編集者のチームの編成です。担当となるプロの翻訳者は事前審査済みで、クライアントと直接コミュニケーションを取ることが奨励されており、クライアントの目標、サービス、ビジネスモデルに関する定期的なトレーニングが行われています。毎回のプロジェクトで同じ事後編集者を使用することで、翻訳者が企業の趣向を学び、翻訳メモリーを改善させることができます。その結果、翻訳者の作業量が減り、さらに迅速な翻訳とコストの削減につながります。

国際進出を支える適切なバランス

NMTPE の利点は、スピード、クオリティ、料金のバランスです。業界最大手ですでに主流の翻訳手段として使用されていることから、NMTPE の導入を躊躇している企業は新たな市場に向け、瞬く間に競争力を失ってしまうことが見込まれます。

BLEND の専門サービスチームは、お客様が特有のニーズに合った、最もコスト効果の高い翻訳方法の組み合わせを見つけられるようサポートいたします。

今後のローカリゼーションプロジェクトについてご相談ください。

お問い合わせ

お問い合わせ

新たな海外市場に自然に溶け込む手段をお探しなら、どのローカリゼーションサービスが最適か、今すぐ BLEND の担当者にご相談ください。